俺は小銭が嫌いだ

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財布の中が小銭でじゃらじゃらいっているのが嫌だ。
お金が沢山ありすぎて財布がふくらんでいるのはいい。勿論歓迎すべきことだ。
でも小銭のせいでぱんぱんになっているのは嫌だ。
もっと言えば、財布の中のお金の枚数は、最少であって欲しい。
無駄に枚数が多いのは許せない。
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例えば、財布の中に 1,444円 持っているとする。
この時の内訳は、千円札×1 + 百円玉×4 + 十円玉×4 + 一円玉×4。
是非こうあって欲しい。
いや、こうあるべきだ。
同じ 1,444円 でも、千円札×1 + 百円玉×3 + 五十円玉×1 + 十円玉×7 + 五円玉×2 + 一円玉×14、なんてのは駄目だ。駄目駄目だ。
有り得ないといってもいい。
十円玉が 5 枚以上有る、とか、五円玉が 2 枚以上有る、のようなのは潔しとしない。
人間、そんな羽目に陥いらないようにしたいものだ。
そんな状況になっているのは、過去の金銭の授受において、きっとなんらかのミスを犯しているのだ。
例えば、678円 の買い物をするとする。
財布には、1,444円。つまり、千円札×1 + 百円玉×4 + 十円玉×4 + 一円玉×4 が入っている。
678円 丁度で支払えれば一番良い。だが、この場合それは出来ない。
どうするか。
千円札を出してお釣りを 322円 貰うと、1 枚出して、お釣りを 7 枚 (百円玉×3 + 十円玉×2 + 一円玉×2) 貰うことになって、財布の中のお金の数は 6 枚増えてしまう。
この払い方は、安易だ。怠惰だ。
いやむしろ、ある種の敗北とさえ言える。
ここは、1,233円 (千円札×1 + 百円玉×2 + 十円玉×3 + 一円玉×3) 出すべきだ。
そしてお釣りを 555円 (五百円玉×1 + 五十円玉×1 + 五円玉×1) 貰うようにする。
9 枚出してお釣りは 3 枚貰うことになり、財布の中のお金の数は 6 枚減る。
これしかない。
差し引き 12 枚も違う。
ただ、たまに支払い時にこちらの意図が伝わらず、怪訝な顔をされることがある。
1,233円 の意図が分かってもらえないのだ。
レジの手が完全に止まってしまう人もいる。
そんなときはレジのお姉さんに向かって心の中でこう叫びたい。
いいから俺を信じろと。
意味が分からずとも、黙ってそのまま 1,233円 のお預かりと打てと。
そうすれば、いずれ分かる時が来るからと。
子供の頃。
電車に乗ろうと思った俺は、80円 の切符を買おうと 国鉄 (JR でなく国鉄だった) の窓口に向かった。
80円 丁度がなかったが、窓口の職員の手元に五十円玉が見えていたので、百円玉 1 枚と十円玉 3 枚の計 130円 を出した。
すると、職員が「80円 だよ」と乱暴に言った。この頃の国鉄の職員は本当に態度が悪かった。意味が分からず黙っていると、「80円だってば」と乱暴に 30円 を投げてよこして、それから切符と 20円 を差し出した。
何も言えず、それを受け取る俺。
つらかった。
大人は何も分かっちゃくれない。
もう何も信じるもんか。
社会に絶望する子供の頃の俺。
また、こんなこともある。
678円 の買い物に 1,233円 出したとする。
でも、レジを開けてみた結果、残念ながらレジには五十円玉が切れていたとする。
すると、お釣りには、十円玉が5枚混じってしまうことになる。自分が出した 3 枚の十円玉もその中に入る。
これは空しい。何という寂寥感。
でもこれは自分として「財布の中身を最小枚数にする」という目的にコミットしてベストを尽くした結果だ。
やるだけのことはやったんだ。結果が駄目でも受け入れよう。
ナイス ファイト、俺。
この経験をバネに明日からも頑張るぞ、俺。
そういう気分にならないか。


# ジョークですので、念の為…