映画『ロボッツ』と『es』

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スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』に続いて、昨日息子と『ロボッツ』を劇場に観にいった。
これは、ピクサーでもドリームワークスでもない FOX の CG アニメーション。2002年にも FOX の CG アニメーション『アイス・エイジ』があったが、その監督のクリス・ウェッジ氏による新作が『ロボッツ』だ。
※ ちなみに、来年には『アイス・エイジ2』が公開されるそうだ。
CG がとても綺麗だった。素晴らしい技術だ。
息子は、随所で声を上げて笑っていた。子供のような素直な気持ちで観ると楽しめる映画だと思った。
『ロボッツ』でほんわかとした気分になって帰ってきた訳だが、夜は、家でひとりで『es』というドイツ映画を観た。
三十年程前にスタンフォード大学の心理学部で行われた実験をもとにした映画。模擬刑務所内で看守役と囚人役を与えられた二十人位の被験者を二週間観察する、という実験。実験が進むにつれ、役に合わせて看守役の性格が支配的・攻撃的に変化していき、とんでもないことになっていく。怖い映画だ。
イラクのアブグレイブ刑務所で起きたアメリカ兵によるイラク人虐待事件を連想させる。人間が置かれた状況によって、驚くべき凶暴な行動を取る、ということは、様々な実験によって確認されているらしい。
戦時下なども多分そうだと想像するが、ごく普通の人でも、特殊な状況下に置かれると、非常に凶悪なことを行い得る、というのは、多分事実であり、そこが怖い。
凶悪な事件が起こると、マスコミなどは、「それは自分達とは違う特殊な人が起こした一般の人には理解しがたい理由に基づくもので、自分達一般人にはけして起こり得ないものである」という点を強調する傾向があると思う。
しかし、凶悪な事件に対して、「普通の人間なら、そんな馬鹿なことになる訳がない」とか「自分ならそんなことには絶対にならない」とか安易に思える人間程、es のような特殊な環境に遭った場合にそれを冷静に受け入れることが全く出来ず、脆いのではなかろうか、と思う。自省したい。

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Posted by Fujiwo