XP祭り2005

『XP 祭り 2005』に参加してきた。
いうまでもなくアジャイル開発の最大のイベントで、今回は第四回だ。
※ 参考: 過去のXP祭りのレポート

これまでの三回と比べて、土曜日開催・お台場のある臨海副都心での開催、というのが新しい。
また、今回は豪華メンバーによるパネル ディスカッションをはじめとして、すごそうなセッションが目白押しだ。とても楽しみにしていた。
朝五時半に起床。六時半に自宅を出て、自動車と飛行機と電車で会場に向かった。
この日の最高気温は32℃だったが、それ以上にとても暑い一日だった。
二百数十人の参加者で、一日中大変な盛り上がりだった。
期待をはるかに上回るすばらしい体験だった。

イベント概要:

XP祭り2005
テーマ XPのみらい ~これから始めてもいいじゃないか!
日時 2005/09/03 講演会 10:00~18:30、懇親会 19:00~
会場 日本科学未来館 みらいCANホール xpfes200501.jpg
主催 日本XPユーザグループ

内容:

今回なんといっても素晴らしかったのは、パネル ディスカッションだ。
これほど粒ぞろいで個性的なエンジニアが揃うパネル ディスカッションは見たことがなかった。
今回もっとも楽しみにしていたセッションだ。
「成功体験と失敗体験」みたいなテーマで始まり、どうなることかと少しはらはらしたが、司会の倉貫 さん の話の振り方が上手で、パネリストからどんどん話を引き出していく。
今回話された主なテーマ:

  • 「成功体験、失敗体験」
  • 「プロジェクトの成功とは」
  • 「フレームワークは嫌いだ」
  • 「日本ならでは」
  • 「技術者としてのモチベーションのありか」

様々なテーマについて、各パネリストが異なる立場・異なる視点から話すので、とても多くの気付きがある。萩本 さん、平鍋 さん、ひが さん、萩原 さん、関 さん。すべてのパネリストの視点が、私には好ましく、また興味深いものに感じられた。
ひとつの問題にあちこちから次々にスポットが当たる。
そして、異なる話をしながらも、深いところでは意見が一致する。
萩原さんの、

「IT で革命を起こしたい。今の時代は、後の時代から振り返ると、ITによる産業革命にあたる。以前の IT 革命はお金儲けだけの話だった。現在 IT はコスト削減のようなつまらないことにしか使われていない」

という言葉など、多くの言葉に感動した。
ちょっと泣きそうになったかも知れない。
パネリストの方たちの思いが、ずんずんと伝わってきたような気がした。
本当になんてあつい人たちなんだろう。
この人たち格好良すぎ。
パネル ディスカッション以外のセッションも大変素晴らしいものばかりだった。
本当に参加してよかったと思う。
# ちなみにパネル ディスカッションの次に感動したセッションは、角谷 さん のライトニング トークス (後述)。

  • 『XP入門』 小井土 亨 氏
    XP と XP 第二版の紹介。個人的には、ジャグリングと暗黙知の関係の話がツボ (謎)。
  • 『EXP – Enterprise XP』倉貫 義人 氏
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    上流工程でも XP をやって、XP による上流工程を「試作工程」、XP による下流工程を「製作工程」と名前を変えてはどうか、という提案があった。
    名前を変えるで意識を変えよう、ということだったが、この考え方にはとても共感できる。
    後の方のライトニング トークスでも、UnitTest での Test を Spec、Assert を Verify、assert を should と表現するものがあった。
    名前を変えることで概念が変わる。
  • 『プロジェクト・ファシリテーション ~アジャイル開発から最新動向と集大成~』 平鍋 健児 氏
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    何回か聴いたことがあるプロジェクト ファシリテーションの話だが、毎回新しい気付きがある。今回はPF小劇場と称して、「朝会」や「ふりかえり」の良い例と悪い例を寸劇で紹介していた。
  • 『ユーザ中心の設計』 ひが やすお 氏
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    ユーザー中心の設計をするために、要件定義のときに「要件の見える化」が重要だという話。「UI モックアップ」「操作マニュアル」、「業務手順書」を使って見える化を行う。
    聴いていて思ったのは、XP でも実際に動くプログラムを早くリリースすることで「見える化」を行うし、XP 以外ではプロトタイプを使う開発モデルもある。ひが さん の方法がそれらより良いと思った点は、

    • 出来上がりの全体のイメージを、とにかく早期に見える化
    • 見える化で使ったUI モックアップや操作マニュアルなどは無駄にならず、最終成果物の一部になる

    というところ。

  • 『要求開発とXPの共通点』 萩本 順三 氏
    萩本 さん のお話は、これまで他所で何度も聴いているが、もっと恐い人かと思っていた。なんとも優しい語り口だった。
  • 講演者+スペシャルゲストによるパネル『XPのみらい』
    パネリスト: 萩本 順三氏、平鍋 健児 氏、ひが やすお 氏、萩原 正義 氏、関 将俊 氏
    司会: 倉貫 義人 氏
    議事ログ作成: 懸田 剛 氏

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  • 劇団ペケぴー v.s. アンプラーズ
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  • ライトニング トークス
    二つに出てきた。

    • アジャグラー (アジャイラーでジャグラー) チームでトークス
      和田 さん、天野 さん、大熊 さん、池田 さん、小井土 さん、林 さん と一緒に (七人で)。
      ジャグリングを披露。
    • ナジャイラー (ドットネッターでアジャイラー) チームでトークス
      中西 さん、丸山 さん、黒石 さん、と一緒に (四人で)。
      目的は NAgile のプロモーションで、内容は NAgile の紹介と CruiseControl.NET の紹介+CruiseControl.NET
      でパトランプを回すデモ。

    ※ 参考: これまでに出たトークスのメモ
    角谷 さんの Ruby のトークスは、すごかった。トークスの鬼だ。一体どこに行こうとしているのか。
    もしかすると、裏に巨額な予算と多人数のスタッフが付いているのかも知れず (謎)。
    その他の人も、とても面白かった。トークスは、年々レベルがどんどん上がっている。

  • 抽選会
    何も当たらなかった。何かが間違っている、と思った (違)。
  • 懇親会
    参加者は、100人を軽く超えていたのでないか。大盛り上がり。一部でジャグリング大会が始まっていた。色々な人と色々な話ができた。参加していたのにお話できなかった知人もいたのは残念。
  • 二次会
    二次会になっても、40人を超える参加者。アジャイラーはとにかくアツイ。

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Posted by Fujiwo