ご静聴ありがとうございました

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講演会などをよく聴きに行くのだが、その時に使われるパワーポイント等の資料でどうにも気になることがある。
まあどうでも良いことと言えばどうでも良いことなのだが、パワーポイント等の資料の最後が、

「ご静聴ありがとうございました」

となっているものをよく目にすることだ。
なんだか年寄りくさくて恐縮だが、静聴という言葉は、「私語したりせずに静かにして聴く」という意味で、会場がざわついていて、それが講演に差し支えるときなどに、司会者が、

「どうかご静聴をお願いします」

のように使うものだ。

「ご静聴ありがとうございました」

は、「静かに聴いていただいてありがとうございました」の意味で、この言葉の使い方は間違いではない。間違いではないが、講演の最後をこれで締めくくられると、とても違和感がある。
同じ読みで清聴という言葉がある。「他人が自分の話を聴いてくれることを敬っていうときの言葉」で、静聴とは意味が違う。
こちらを、

「ご清聴ありがとうございました」

のように使う。「私の話を聴いてくださってありがとうございました」の意味だ。
こちらの方が本来の使い方で、しっくりくる。